髪質改善トリートメントは意味ない?美容師が“本音”で解説する効果と注意点

「髪質改善トリートメント、やってみたけど思ったほど変わらない…」
「意味ないってネットで見たけど、本当?」

こんな声をよく耳にします。SNSや口コミで注目されている“髪質改善”ですが、期待が大きい分「思ったほどではなかった」と感じる人がいるのも事実。

この記事では、髪質改善トリートメントが「意味ない」と言われる理由や、効果を実感できる人・できない人の違い、施術前に知っておきたい注意点などを、美容師目線でわかりやすく解説します。

髪質改善トリートメントって本当に意味ないの?

そもそも「髪質改善」とはどんな施術?

近年、SNSや美容情報サイトでよく目にする「髪質改善トリートメント」。多くの美容室がメニューに取り入れている一方で、「やってみたけど意味なかった」「一度で変わらない」といった声も見かけます。では、そもそも“髪質改善”とはどんな施術なのでしょうか?

一般的に「髪質改善トリートメント」は、酸熱トリートメントと呼ばれる特殊な処方のトリートメントが主流です。酸性の薬剤と熱(アイロン)を組み合わせることで、髪の内部の歪みを補正し、うねりや広がりを抑えてまとまりやすくするというもの。縮毛矯正のように強いクセをまっすぐにするものではなく、「柔らかく自然なまとまり」や「ツヤ感の向上」を目指す施術です。

よく誤解されがちですが、髪質改善トリートメントは即効性のある魔法のような施術ではありません。どちらかというと、ヘアケアの一環として定期的に継続することで効果を実感しやすい施術です。

たとえば、アイロンで形を整えてもらった直後はサラサラに感じても、ホームケアを怠ったり、髪に合わないシャンプーを使ったりすると、数日後には元に戻ったように感じてしまうこともあります。このように、髪質改善には“施術だけ”でなく、日頃のヘアケアとのセットで成り立つ性質があるのです。

また、「髪質改善」と一口に言っても、使われる薬剤や技術には大きなバラつきがあります。美容室ごとにやり方が違い、なかには本当にただのトリートメントを「髪質改善」と称しているケースもあるため、効果に個人差が出るのは当然とも言えるでしょう。

つまり、「髪質改善=効果がすぐ出て、髪が根本的に生まれ変わる」と思って施術を受けた場合、期待とのギャップが生まれやすいのです。これが、「意味がなかった」と感じる原因のひとつとも言えるでしょう。

意味がないと感じる人のよくあるケース

髪質改善トリートメントで「意味がなかった」と感じる方の多くは、以下のようなケースに当てはまっています。

  • 【1】クセが強く、縮毛矯正レベルの補正を期待していた
    → 髪質改善はくせ毛を“まっすぐにする施術”ではないため、期待していた仕上がりと違うと感じることがあります。
  • 【2】一度の施術で劇的な変化を期待していた
    → 髪質改善は継続して行うことでじわじわ改善されることが多く、「一度で劇的に変わる」という類のものではありません。
  • 【3】ホームケアが適切でなかった
    → 髪質改善後のケア(シャンプー・ドライ・紫外線対策など)によって、持ちや効果が左右されます。
  • 【4】施術内容が自分の髪質や履歴に合っていなかった
    → カラーやパーマなどの履歴、髪のダメージレベルにより、効果の出方には差が生じます。

このように、「意味ない」と感じるのは、施術そのものの効果だけでなく、期待のズレや前提知識の不足が背景にあることも多いのです。

fiica

“髪質改善”はクセを伸ばす魔法じゃなくて、“整えて育てるケア”に近い感覚です。サロンでの施術と自宅ケア、両方を丁寧に続けることが大切ですよ!

髪質改善トリートメントが効かない原因とは?

トリートメントの種類と選び方のミスマッチ

髪質改善トリートメントが「効かない」「効果を感じにくい」と言われる原因のひとつに、自分の髪質や悩みに合ったトリートメントを選べていないという問題があります。

実は「髪質改善」と一口に言っても、施術の中身はサロンによって大きく異なります。主に使用されるのは酸熱トリートメントやアミノ酸系、ケラチン補給系のトリートメントですが、それぞれ得意とする髪質や悩みが違います。

たとえば、

  • 酸熱トリートメントはうねりや広がりを抑えるのに向いていますが、ハイダメージ毛には刺激が強すぎる場合も。
  • 一方、ケラチン系は補修力に優れている反面、クセを落ち着かせる効果はあまり期待できません

つまり、自分の髪の状態(クセの強さ、ダメージ度合い、水分不足 or タンパク質不足など)に合ったトリートメントを選ばないと、せっかく施術しても「思ったほど効果が出ない」「ただのコーティングで終わった」と感じてしまうのです。

さらに、「髪質改善」と名前が付いていても、実際には表面をコーティングするだけのトリートメントを提供しているサロンもあり、ネーミングと中身のギャップが生まれていることも要注意ポイントです。

施術者の知識・技術の差も大きい

髪質改善トリートメントは、縮毛矯正のように明確な基準や国家資格に基づいて行われるわけではなく、各サロンの裁量に任されている部分が大きい施術です。

そのため、美容師の知識や経験によって仕上がりに大きな差が出るのも事実。

たとえば、

  • 髪の履歴をきちんと把握せずに施術してしまった
  • 過剰なアイロンの熱で髪を硬くしてしまった
  • 塗布ムラで一部しか効果が出なかった

このようなケースでは、せっかくのトリートメントも十分に力を発揮できません。「髪質改善は薬剤のチカラよりも“診断力と調整力”が命」と言われるほど、プロの技術が問われる施術なのです。

信頼できるサロン・担当者を選ぶことが、成功のカギを握ります。

一度で完璧に変わると思っていない?

髪質改善トリートメントは、その名のとおり「髪質を改善する」ためのものですが、それは一度の施術ですべてが変わるという意味ではありません。

「一度やったらサラサラになるって聞いたのに…」
「インスタではすごい変化だったのに、自分はあまり変わらなかった」

こうしたギャップを感じる方が多いのは、“劇的変化”への期待が先行しすぎてしまっているからかもしれません。

髪質改善は、髪内部の環境を少しずつ整えるアプローチです。美容医療で例えるなら、肌の再生医療のようなもので、回数を重ねて徐々に良くなっていく施術と考えるのが近いでしょう。

とくに、

  • 年齢による髪のエイジング変化が気になっている方
  • もともと強いクセがある方
  • 日々のダメージが蓄積している方

こうした髪は、1回の施術で大きく変えるのではなく、土台を整えていくイメージで取り組むことが大切です。

fiica

“一回で劇的に変わる”髪質改善って実はまれなんです。続けることで“あ、扱いやすくなってるかも”と実感するのが本来の姿ですね!

髪質改善トリートメントの効果を感じやすい人・感じにくい人の違い

うねり・パサつきの種類によって向き不向きがある

髪質改善トリートメントの効果は、実は「誰にでも同じように出る」わけではありません。
なぜなら、髪の状態や悩みの種類によって、施術との相性に向き・不向きがあるからです。

たとえば、以下のような特徴をもつ髪の方は、効果を感じやすい傾向があります。

  • 軽度〜中度のうねり・広がりがある方
  • 加齢によってパサつき・ハリコシの低下が気になる方
  • 毎朝のまとまりの悪さに悩んでいる方

髪質改善トリートメントは、髪の内部を整えて表面のキューティクルを補修することで、うねりや広がりを抑える効果が期待できます。そのため、ゴワつき・乾燥・まとまらないといった悩みが中心の方には、高い満足感が得られやすいです。

一方で、効果を感じにくいケースとしては次のようなものがあります。

  • 縮毛のように強いクセ毛の方(矯正レベルが必要)
  • ブリーチや縮毛矯正などで髪がハイダメージ状態の方
  • うねりよりもボリュームや毛量そのものが気になっている方

このような髪には、髪質改善トリートメントでは力不足になることがあるため、効果の実感が薄く、「意味なかったかも…」と感じやすいのです。

カラーや縮毛矯正の履歴が影響することも

施術歴の有無も、髪質改善の効果を左右する重要なポイントです。
たとえば、カラーやパーマ、縮毛矯正を定期的にしている方は、髪が乾燥しやすく、内部がスカスカになっている場合が多く見られます。

このような髪には、髪質改善トリートメントが良い方向に作用することもありますが、反対に薬剤の吸収がうまくいかない・熱の影響を受けすぎるなどのデメリットが出る可能性も。

また、髪のダメージ履歴によっては、トリートメントをしてもすぐに効果が抜けてしまったり、アイロンの熱で髪が固くなったりと、本来期待される“柔らかさ”“ツヤ”が出づらくなることもあります。

つまり、施術者が髪の過去の履歴を丁寧に見極めたうえで、薬剤の種類やアイロン温度を調整できるかが、成功のカギになります。

普段のホームケアで結果が変わる

忘れてはならないのが、“その後のケア”です。

髪質改善はあくまで土台を整える施術。
だからこそ、施術後のホームケア次第で持続力も、効果の実感も大きく変わってきます

▼以下のような習慣があると、効果が長持ちしにくくなります:

  • 洗浄力の強すぎるシャンプーを使っている
  • 濡れたままの状態で寝てしまう
  • 高温ドライヤーやコテを日常的に多用している
  • 紫外線対策をしていない

反対に、髪質改善後に専用のアミノ酸系シャンプーを使い、摩擦や熱から守るケアをしている人は、驚くほど効果が続きやすく、回数を重ねるごとに髪のコンディションが安定していくことが多いです。

つまり、「髪質改善トリートメントは意味ない」と思っている方の中には、実は“正しいケア方法”を知らずに過ごしてしまっただけという場合も少なくないのです。

fiica

髪質改善って、施術だけじゃ“完成”じゃないんです。ホームケアが続くかどうかで“意味あるかないか”が決まると思ってもいいくらいです!

髪質改善トリートメントを意味ある施術にするためのポイント

事前カウンセリングで仕上がりイメージを共有する

髪質改善トリートメントで「満足いく結果」を得るために、最も大切なのが施術前のカウンセリングです。
髪質改善は、縮毛矯正やカラーのように「色を変える」「クセを伸ばす」といった明確な変化が出る施術ではありません。そのため、ゴールの共有があいまいなままだと“思っていた仕上がりと違う”というギャップが起きやすいのです。

たとえば、同じ「広がりが気になる」という悩みでも、

  • ボリュームを残しながらまとまりが欲しい
  • ボリュームは落ちてもいいからツヤ感重視
  • 湿気でうねるのを抑えたい

など、理想の仕上がりは人によってまったく異なります。
美容師としては、これらの意図を正確に理解し、薬剤の種類・塗布量・アイロンの使い方までを調整する必要があります。

逆に言えば、カウンセリングでのすれ違いがあると「思ったより変わらなかった」「逆にぺたんこになった」といった“意味がなかった”という誤解に繋がりやすくなるのです。

サロン選びは「技術+薬剤+提案力」で見極める

髪質改善トリートメントが“意味ある施術”になるかどうかは、どのサロンで・どの担当者に施術してもらうかで大きく左右されます。

特に注目すべきポイントは以下の3つです:

  1. 技術力(髪質診断・塗布・熱処理の精度)
     →経験値がないとアイロンで逆に傷めるケースも…
  2. 薬剤の知識と選定力
     →髪質や履歴によって使い分けているかどうかが重要
  3. 提案力(「やらない方がいい」と言える判断力)
     →なんでも施術を進めるサロンより、「今日はやめておきましょう」と言える判断ができるかどうか

特に「髪質改善」が流行っている今は、メニューに入れているだけで中身はただのトリートメントというサロンも少なくありません。料金が高ければ良い、安いと悪い、という単純な話ではなく、「自分の髪に本当に向き合ってくれる美容師かどうか」が判断基準になります。

サロンの口コミや事例写真だけでなく、「カウンセリングの丁寧さ」や「施術後の説明内容」もチェックするのがおすすめです。

施術後のケア方法も要チェック!

「髪質改善=サロンで完結する施術」と思っていませんか?
実際は、**自宅でのケアがむしろ“結果を左右する最大の要素”**になることが多いのです。

髪質改善トリートメントは、髪の内部のタンパク質や結合にアプローチする施術。髪の内部が変化するからこそ、外的ダメージ(摩擦・紫外線・熱)から守るケアが必要不可欠になります。

以下のようなケアを継続することで、効果を長くキープしやすくなります。

  • アミノ酸系シャンプーでやさしく洗う
  • ドライヤー前に保湿&ヒートプロテクトアイテムを使う
  • 髪が濡れたまま寝ない
  • 紫外線の強い時期はUVスプレーなどでカバー
  • 次回の施術タイミングを守る(1〜1.5ヶ月目安)

また、美容師から施術後に**「このケアを続けてくださいね」と具体的なアドバイスがあるかどうか**も、良いサロンの見極めポイントになります。

つまり、髪質改善はサロンでの“たった1時間”より、その後の1ヶ月間の自宅ケアが命というわけです。

fiica

“やって終わり”じゃなく、“育てていく”のが髪質改善です。信頼できる美容師との二人三脚で、未来の髪が変わっていきますよ!

まとめ|髪質改善トリートメントは「意味ない」と切り捨てる前に確認を

髪質改善トリートメントに対して、「意味ない」「効果がなかった」と感じる人が一定数いるのは事実です。
しかし、その多くは期待とのギャップ誤った理解・施術選びのミスに原因があります。

まず大前提として、髪質改善は「クセを伸ばす縮毛矯正」や「コーティングするだけの表面トリートメント」とは全く異なる位置づけの施術です。
あくまで“髪内部のゆがみやダメージを補正しながら、土台から扱いやすく育てていく”という中長期的なケアに近いものなのです。

つまり、1回で劇的にサラサラになることを期待していた人にとっては、「あれ?思ったより普通かも…」と感じるのも無理はありません。

また、以下のようなポイントを見落としている場合も、「意味がなかった」と誤解されやすくなります。

  • 自分の髪悩みに合ったメニュー選びができていない
  • カウンセリング不足で仕上がりイメージと現実がずれた
  • 施術者の技術・薬剤選定力が十分でなかった
  • 施術後のホームケアをしていなかった、または方法が間違っていた

このような要因が重なると、髪質改善の本来のポテンシャルを活かすことができず、結果として「意味がなかった」と判断されてしまいます。

髪質改善は“選び方と続け方”で結果が変わる施術

本来、髪質改善トリートメントは、

  • 髪に負担をかけすぎず
  • 年齢による髪の変化に寄り添いながら
  • 縮毛矯正よりも自然な仕上がりで
  • 毎日のスタイリングをラクにしてくれる

といった、40代・50代の女性を中心に強く支持されているメニューです。
「ダメージレスで、無理せず髪を整えていきたい」という想いにぴったりの選択肢でもあります。

ただし、それを実現するには、

  • 自分の髪質・悩みに合っているかどうかを見極めること
  • 信頼できる美容師と一緒に“理想の仕上がり”をすり合わせること
  • サロン任せではなく、自宅ケアまで丁寧に続けること

この3点がとても重要になってきます。

逆に言えば、「意味ない」と切り捨てる前に、これらのポイントをクリアできていたかを一度振り返ってみることをおすすめします。

どんな人に髪質改善はおすすめ?

「髪質改善って意味あるの?ないの?」と迷っている方へ、美容師としておすすめしたいのは次のような方です。

✅ 年齢とともに髪がまとまりにくくなってきた方
✅ パサつき・乾燥・広がりに悩んでいるけど、縮毛矯正は抵抗がある方
✅ ナチュラルなツヤ髪を目指したい方
✅ ダメージを最小限に抑えたい方
✅ 自宅でのケアも前向きに取り組める方

こうした方にとって、髪質改善は見た目の印象を自然に若々しく整え、扱いやすい髪を育てる大きな助けになるでしょう。

fiica

“意味ない”と決めつける前に、“本当に髪と向き合えたか”を振り返ってみてください。正しいやり方と信頼できる美容師さえいれば、髪はきっと変わっていきます!

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この記事を書いた人

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fiica 田畑 裕大

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